この記事はRecipe vol.175(2009年8月号)に掲載されたものです。

ヴィッセル神戸キャプテン宮本恒靖を徹底分析!

ヴィッセル神戸への移籍と同時に、新キャプテンとなった宮本恒靖選手。
これまでに日本代表キャプテンも務め、世界の大舞台を
幾度も経験してきた彼のリーダーシップには大きな期待がかかっている。
Recipe読者にも、同じ立場の人は多いのではないだろうか。
フィールドは違えども、着々とキャリアを積み、
リーダーとしての役割を求められる立場となる世代―。
リーダーシップに定評のある宮本選手に
「リーダーとしてあるべき姿」を聞いてみた。

キャプテン宮本に学べ! リーダーの心得6ヶ条

結束力

何よりも欠かせないのは、チームメイトとの積極的なコミュニケーション。元気がない、話を聞く必要があると思った選手には自分から声をかけて食事に行ったりして、なるべく個々を見ようと努力しています。色んな人間がいるから、それぞれの性格を見てアメとムチを使い分けながらね。そうやってアドバイスした相手のプレーや表情がグッと良くなった時が、リーダーをやっていて良かったと思える瞬間です。周りの言葉に耳を傾けられる素直さと、失敗を恐れずトライする勇気。これを持っている人は育て甲斐がありますね。

責任感

リーダーという立場に立つということは、常に見られているということ。その自覚は常に持っておかないといけません。リーダーの言うこと、やることが二転三転していたら周りの人間が迷ってしまうから、しっかり芯を通すということが大切です。もちろんチームプレーだから、みんなをまとめるのは難しい。でも逆に、チームが一体となった時は100%以上の力にもなるんです。その一体感を導くためには、本番(試合)だけでなく普段から自分の姿や言動に責任を持つことが大事ですね。

統率力

僕の役割は、監督が目指すサッカーをピッチ上で選手たちに伝えること。難しい状況に陥っても「どうすれば乗り越えられるか」ということを、その場で判断し的確に指示を出さなくてはならないので、監督の考えをしっかり理解することが求められます。また、気持ちの切り替えも大事。例えば試合に負けた時、もちろん反省は必要です。でも、いつまでも沈んだ気持ちでいたら、物事はいい方向へ向きません。結果を出すことでチームに自信がついてくれば、全員がもっと力を発揮できるようになるはずです。

重圧感

プレッシャーはあって当たり前。キャプテンとしても、一選手としても常に持っているもの。ネガティブに考えているとプレッシャーはどんどん大きくなるから、なるべくポジティブに考えるようにしています。そして、本番に向けて気持ちを作っていく。もちろん自分が今までやってきたこと、自分自身を信じることも重要です。サッカーと全く違うことに目を向けたりして、心の余裕を持つことも必要ですね。僕の場合は、家の近所を散歩したりしてリラックスしています。

心意気

チームプレーだから、もちろんキャプテンひとりではできないし、周りの協力が必要。一人ひとりが自分の役割を果たして、それが結果に結びついた時が「サッカーをやっていて良かった!」と思える瞬間ですね。気持ちが動かないと人も動かないから、そういう熱い思いを持つことは大切にしています。僕自身、実は喜怒哀楽が激しいんです。立場上、あえて大げさに表現したりもしますけどね。あまり感情を表に出さないように思われるのですが、内にあるものは熱いですよ。

向上心

常に何か新しいものを身につけようという気持ちを持っておくこと。他のリーダーのいいところは取り入れようとするし、自分のうまくいかなかった経験は次に活かそうとしています。知らない世界に飛び込むというのもひとつ。僕が大学に進学したのも、海外への移籍を決めたのも、そんな思いがあったからでした。今まで経験したことのない環境で自分がどこまで通用するのか、そしてどのように変われるのか。それを意識しつづけることが、自身の成長につながると思います。

宮本 恒靖選手

DF14

1977年2月7日生まれ、大阪府出身。ガンバ大阪ユースを経て、’95年ガンバ大阪入団。プロ契約と同時に、同志社大学経済学部に入学する。’07年、長年所属していたガンバ大阪を離れ、レッドブル・ザルツブルクへ移籍。そして’09年、新体制で挑むヴィッセル神戸へ。「自分のこれまでの経験を還元する」と、チーム優勝を目指す。176cm/72kg

この記事はRecipe vol.175(2009年8月号)に掲載されたものです。